認知症の方との関わりかたについて、思うこと。2 [認知症]
私が、介護の資格を取って間もなく、今の施設に入ったばかりの時の話をします。
一人のお婆さん(ここではTさん(仮名)とします)がいたんですけど、ほとんど一人で歩くことは出来なくて、トイレ介助や入浴介助など、職員が促して、一緒にやるという方でした。
そのお婆さんは、男性嫌いで、「男の人は怖いし、何をされるかわからない。」と思っていたようで、ものすごい拒絶されました。
トイレ介助をしようとすると「あんた何やってるの!あっちにいきなさい!」
お風呂介助をしようとすると「何してるの?出てなさい!」
就寝介助をしようとすると「私着替えるんだから、あっちに行ってなさい!」
こういった時に、叩かれたり、かっちゃかれたりすることも、多々ありました。
内心私は、「自分で出来ないから手伝おうとしてるのに、なんでだよ…。」と思っていました。
そうやって拒絶される度に、私では出来ないので、他の職員の方が代わりにやってくれる。
これがつらかったです。
私より前からいる男性職員は、普通に受け入れられてる光景も奇妙でした。
「あんた男の人でしょ!」と拒絶されているのに、他の男性職員の介助は受け入れている。
この差はなんだろう?
施設長に「Tさんは男の人嫌いだから、時間掛かると思うよ~。普段から話しかけたり、係わっていって、徐々に慣れてもらうしかないんじゃない?」と言われました。
確かに、男性嫌いの女性に、いきなり話し掛けたり、トイレに一緒に入ってきたりしたら、「何こいつ?」ってなりますよね?
それは同感でした。
でも、「普段から話し掛ける。」これには少し、疑問を持ちました。
確かに、係わっていないと、信頼関係というものは築けないものだと思いますが、嫌いな人に話しかけられても嬉しくないんじゃないかな?と私は思ったのです。
でも、係わらなければ益々嫌われて、仕事にならないし、何より自分も相手も楽しくない。
そこで私は、
・出勤時、退勤時に挨拶をする。
・特に仕事を決められていない時間帯に、その人の視界に移るところに座る(距離は近からず、遠からず)
「この二つから始めてみよう。」と思い、実践してみました。
まず、「見ず知らずの人から、顔見知りになろう。」と思って、「やってみよう。」と。
1ヶ月経たないぐらいのある日、
「Tさーん、ちょっとトイレ行きませんか?」と声を掛けると、「行くよ。」と言われました。
「え!行くの!?」と、思わず声を出してしまいそうになりましたが、車椅子に移乗して、トイレ誘導。
トイレ介助が普通に出来ちゃいました。
この時すごく嬉しかったことを、いまだに忘れられません。
その日からは、たまに話しかけてみることも実践していきました。
顔見知り程度の関係から、相手にとっての【知人、友人】になるために。
その次の日に声を掛けたとき、「いやだよ!あんた行きなさい!」と断られてしまい、こぶしがとんでくる。
「そう簡単にはいかないものだな。」と思いました。
それを繰り返していくうちに、段々と受け入れられていって?介助をやらせてもらえる、話しかけると、たまに返してもらえるようになっていくようになっていきました。
向こうからも、たまに話しかけてくれて、「話しかけてもらえちゃったよ~。」と嬉しくなる。
ちょうど2年前の出来事を、思い出しながら書いているので、伝わりづらいかもしれません;
何を言いたいかというと、介護だけに限らないと思いますが、
段階を踏んでいくことって、遠回りにみえるかもしれないですけど、大切なことなのかなーと考えさせられる出来事でした。
急がば回れ理論ですよね。
すぐに結論を出そうと焦っても、良い結果は生まれなかったと思います。
人対人のお仕事って、お互いがお互いに歩み寄ろうと思った時に、初めて前に進めるものだと思います。
「自分の思い通りにことを進めたい。」とお互いが思っていても、はじまらないので、まず自分から、「相手に歩み寄っていこう。」と思う こころが大切なんじゃないかな、と思います。
⇒認知症の方との関わりかたについて、思うことpart3
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一人のお婆さん(ここではTさん(仮名)とします)がいたんですけど、ほとんど一人で歩くことは出来なくて、トイレ介助や入浴介助など、職員が促して、一緒にやるという方でした。
そのお婆さんは、男性嫌いで、「男の人は怖いし、何をされるかわからない。」と思っていたようで、ものすごい拒絶されました。
トイレ介助をしようとすると「あんた何やってるの!あっちにいきなさい!」
お風呂介助をしようとすると「何してるの?出てなさい!」
就寝介助をしようとすると「私着替えるんだから、あっちに行ってなさい!」
こういった時に、叩かれたり、かっちゃかれたりすることも、多々ありました。
内心私は、「自分で出来ないから手伝おうとしてるのに、なんでだよ…。」と思っていました。
そうやって拒絶される度に、私では出来ないので、他の職員の方が代わりにやってくれる。
これがつらかったです。
私より前からいる男性職員は、普通に受け入れられてる光景も奇妙でした。
「あんた男の人でしょ!」と拒絶されているのに、他の男性職員の介助は受け入れている。
この差はなんだろう?
施設長に「Tさんは男の人嫌いだから、時間掛かると思うよ~。普段から話しかけたり、係わっていって、徐々に慣れてもらうしかないんじゃない?」と言われました。
確かに、男性嫌いの女性に、いきなり話し掛けたり、トイレに一緒に入ってきたりしたら、「何こいつ?」ってなりますよね?
それは同感でした。
でも、「普段から話し掛ける。」これには少し、疑問を持ちました。
確かに、係わっていないと、信頼関係というものは築けないものだと思いますが、嫌いな人に話しかけられても嬉しくないんじゃないかな?と私は思ったのです。
でも、係わらなければ益々嫌われて、仕事にならないし、何より自分も相手も楽しくない。
そこで私は、
・出勤時、退勤時に挨拶をする。
・特に仕事を決められていない時間帯に、その人の視界に移るところに座る(距離は近からず、遠からず)
「この二つから始めてみよう。」と思い、実践してみました。
まず、「見ず知らずの人から、顔見知りになろう。」と思って、「やってみよう。」と。
1ヶ月経たないぐらいのある日、
「Tさーん、ちょっとトイレ行きませんか?」と声を掛けると、「行くよ。」と言われました。
「え!行くの!?」と、思わず声を出してしまいそうになりましたが、車椅子に移乗して、トイレ誘導。
トイレ介助が普通に出来ちゃいました。
この時すごく嬉しかったことを、いまだに忘れられません。
その日からは、たまに話しかけてみることも実践していきました。
顔見知り程度の関係から、相手にとっての【知人、友人】になるために。
その次の日に声を掛けたとき、「いやだよ!あんた行きなさい!」と断られてしまい、こぶしがとんでくる。
「そう簡単にはいかないものだな。」と思いました。
それを繰り返していくうちに、段々と受け入れられていって?介助をやらせてもらえる、話しかけると、たまに返してもらえるようになっていくようになっていきました。
向こうからも、たまに話しかけてくれて、「話しかけてもらえちゃったよ~。」と嬉しくなる。
ちょうど2年前の出来事を、思い出しながら書いているので、伝わりづらいかもしれません;
何を言いたいかというと、介護だけに限らないと思いますが、
段階を踏んでいくことって、遠回りにみえるかもしれないですけど、大切なことなのかなーと考えさせられる出来事でした。
急がば回れ理論ですよね。
すぐに結論を出そうと焦っても、良い結果は生まれなかったと思います。
人対人のお仕事って、お互いがお互いに歩み寄ろうと思った時に、初めて前に進めるものだと思います。
「自分の思い通りにことを進めたい。」とお互いが思っていても、はじまらないので、まず自分から、「相手に歩み寄っていこう。」と思う こころが大切なんじゃないかな、と思います。
⇒認知症の方との関わりかたについて、思うことpart3
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